D-RTK3のローバモードを使用してみましたので、その使用感などご参考になれば幸いです。手頃な価格で正確な座標を手軽に計測できる、そんなツールです。
ローバモードを使用して座標を計測する為には、アンドロイドのスマホなどにDJI Enterpriseアプリをインストールする必要があります。また、RTKサービスプロバイダーと契約する必要があります。
座標系の設定
JGD2011の座標系を設定出来ますので、エクスポートしますと、緯度経度に加えて、JGD2011の座標系のデータも含まれます。下図は、その出力例です。
計測座標の精度
D-RTK3にて2か所のみですが測定し、弊社にある某メーカのGNSS測量機と比較してみました。特段問題となる点は見られませんでした。()はその差分です。
D-RTK3:単位(m)
点名 | North | East | Elevation |
A1 | -107879.998 (0.012) |
-69454.295 (0.007) |
90.078 (-0.012) |
A2 | -107906.071 (0.006) |
-69455.378 (-0.009) |
90.211 (0.014) |
アプリ(DJI Enterprise)の使いやすさ
D-RTK3への接続、RTKへの接続も常に安定して動作します。全く問題は見受けられませんでした。接続すると直ぐにFIXします。アプリはシンプルで使いやすいと思います。
チルトモード
チルトモードは使用する前にキャリブレーションが必要になりますが、チルトモードはローバを垂直に立てられない場所(コンクリートブロックの角など)でも座標を計測することが出来ます。
下表は、垂直時とチルトの比較です。チルトは、倒し方と角度を変えて2回測定しましたが、垂直時に比較して、XとY方向は1cm以内、Z方向は2cm以内程度の測定精度でした。これは、固定し測定した場合になります。
点名 | North | East | Elevation | ポールの傾斜 |
A2 | -107907.022 | -69456.913 | 90.182 | 垂直(固定) |
A2 | -107907.029 | -69456.906 | 90.196 | チルト(固定) |
A2 | -107907.030 | -69456.911 | 90.200 | チルト(固定) |
その他
(前回の記事に間違いがありましたので、訂正します)
D-RTK3は、取付け部のネジが5/8インチネジ対応となっていますので、他社の測量用ポールや測量用三脚を使用することが出来ます。アンテナ取付座面高を1.8mにすることで、他社のポールなども使用出来ます。アンテナ定数は、DJI Enterpriseアプリにて計算されています。
ちなみに、DJIのサーベイポールは、収納時(125)、160、180cmの所で自動的にラッチされるので便利です。
以上です。