昨年、販売開始されたGreenvalley International O1 Liteを使用してみましたので、ここにレポートを纏めます。実は昨年12月に購入して以来、雪などで動作確認をすることが出来ませんでしたが、ようやく札幌も春になり確認することが出来ました。
下図は、トレンドポイントで表示した全体の点群様子です。ネットワークによるRTKで測定を行っており、上と下の方の2か所(1、2と記載されている所)に検証点として座標を計測しました。
精度結果
標識を置かないで、公園出入り口のコンクリート部で計測しましたが、十分に位置を確認することが出来ます。特に1は、計測区域の始点でしたので、LiDAR360MLSのデフォルト設定での処理では点群が薄く位置が不明だったのですが、再度、設定を高密度出力に変更し処理したところ、くっきりと見えるようになりました。
2は、元々測定時の経路(軌跡)によるオーバラップが高いため、標準処理でも識別可能でしたが、高密度出力により更にくっきりと見えます。軌跡は、後述の「LiDAR360MLSに関して」を参照してください。
トレンドポイントの座標点の機能を使用し、計測した点群での座標を求めます。
次に、予め計測した座標と引き算を行い、誤差を求めます。結果、Z、Y、Zともに2~3cm程度の誤差結果となりました。
点群のディテール(SHARES10と比較)
下図の上段は、SHARE S10、下段はO1 Liteになります。但し、S10の処理は標準モード、O1_Liteは高密度出力です。ご参考程度にしてください。
測量として使用する場合は、地物はあまり関係がありませんが、仮想現実に使用する場合はオブジェクトも重要になります。上段がS10、下段がO1 Liteです。
付属するソフトウエアに関して
O1 Liteを購入しますと、LiDAR360MLSのSLAM処理を行うモジュールの永久ライセンスが付属します。これは、SLAM処理に加えてビジュアル化、ジオリファレンス、ネットワークRTKはもちろん、PPK後処理、GCP機能も含まれます。保守は無料です。
LiDAR360MLSに関して
従来、Greenvalley InternationalのLiGripシリーズは、LiFuser-BPによる処理でしたが、現在はLiDAR360MLSに統合されています。基本的には、LiFuser-BPのメニュー形態がそのまま、LiDAR360MLSに組み込まれているので、移行しても操作の戸惑いは感じないかと思います。
日本の座標系は網羅されています。下図は、処理時の例です。
GreenValley アプリに関して
GreenValley アプリは、アンドロイド、iOS両方に対応しています。このアプリは、計測時のRTK接続やGCP登録、点群取得開始や停止などの制御を行うものです。もちろん、リアルタイムで点群も表示されます。
弊社ではスマーフォンで両方のOSでアプリを使用してみましたが、iOSの方が使いやすいと感じました。どちらも同じメニュー構成ですが、RTKの設定の画面において、アンドロイドは入力している文字が非常に小さく、老眼の私には非常に厳しいものでした。タブレットであれば問題ないかと思います。その点、iOSは拡大が出来ますので、スマートフォンでも大丈夫です。ただ、どちらも一度RTK接続が出来れば、履歴に保存されますので、入力は最初のみになります。
O1 Liteの詳細は、リンク先をご確認ください。日本語マニュアル、リファレンスマニュアル などサポートが充実しております。
ギャラリー
以上です。