Greenvalley Internationalより新規リリースのフラッグシップハンドヘルド SLAM LiDARスキャナー LiGrip O2を早速使用してみました。
LiGrip O2は、16/120、32/120、32/300の3種類あります。最上位機種は、32/300になりますが、スキャンレート(640,000/秒)、検出距離(300m)になります。この最上位機種には、HesaiのXT32M2Xが使用されています。詳細は、LiGrip O2のリンク先をご確認ください。
今回は、このLiGrip O2 32/300を使用してみました。GPSアンテナは、オプションの高感度タイプ(円盤型)になりますが、今回はGPSを使用せず、SLAMのみの確認になります。

実力を確認するべく、かなり広範囲の面積を取得してきました。下図の細長い領域を一周してみました。

廉価モデルのO2 Liteは秒速1m/s程度でゆっくりと歩く必要がありますが、O2のLiDARセンサーはかなり強力の為、普通の速度3~4m/sで歩く事が可能です。かなりリアルに点群を取得出来ています。(下図の点群は、周囲や中心部の不要な建物は編集にて削除しています。)


今回は長い距離のループを描きましたが、全てにおいて、IMU蓄積誤差によるレイヤーとXY方向のズレが発生しておりませんでした。RGB表示ではいくつかの場所に置いてレーザとRGBのズレがみられますが、これはIMU蓄積誤差によるものでなく、強度表示においては問題は見られませんでした。
本来SLAMは出来るだけ閉ループを小まめに閉じながら測定していくことが基本になります。事前に計測時の経路をしっかり計画立てることで、IMU蓄積誤差をかなり少なくすることが出来ます。この経路計画が点群の品質を大きく左右します。(そのため実際の現場で困らないためにも、相談できる技術をもった販売店で購入することが大事です。)

点群の詳細に関しては、動画を参照してください。
(Youtubeの設定で高画質を設定可能です。)
動画を見ますと、時折歩道や道路にノイズが見られます。これは、歩行者、車が通ったものですが、ソフトウエア処理でかなりフィルタリングされていますが、多少残る場合があります。
O2の素晴らしさは、この動画が全てかと思います。歩いて測定しているにも関わらず、街路樹の樹冠が濃い点群となっているので、ドローンの点群と錯覚するほどです。LiGripシリーズは何シリーズもの製品の歴史がありますので、信頼性も高いです。
また、SLAM LiDARで構造物の角がどの位スキャン出来るのか?も確認してみました。
SLAM LiDarは、ドローン搭載のLiDARとは違い、自己位置を高いレベルで推定する為、地面の厚みが少ないのが特徴です。10か所程度確認しましたが、地面の変な重なりは見られず、1mm~8mm程度でした。

LiGrip O2は10月より一般向け販売開始されています。大規模に測量するお客様に有効なツールかと思います。機材の使い方、歩行計画のアドバイス、ソフトウエア処理のサポート可能ですので、安心してお問合せください。
以上です。
