ご存知のように、対空標識は、UAV測量の基準点として使われます。屋外に配置しますから、対候性、耐熱性、耐腐食性に強くなければいけません。
耐光性に関しては、紫外線による色褪せ防止として、対候性のある塗料もしくはシートが使われているかが大事になります。また材質がビニール系の樹脂、ゴムなどは、紫外線にさらされると数か月程度でもろくなり、パリパリと割れてしまいます。
また、対空標識の配置場所は、地面が常に平とは限らず材質が柔らかなものだと、固定時に反ったり斜めになってりしますのである程度の整地が必要になります。硬い材質であれば、草の上から直接押し付けて、ピンで固定出来ます。UAV測量の精度は、X,Y,Zの精度は±5cmですから、反ってしまうだけでZ方向に数センチの誤差がでます。その為、軽くて硬い材質にする必要がありますが、金属性、ビニール系樹脂、ゴム系樹脂、木などの材料から選択をしますと、アルミ複合板(アルミ板と発砲スチロールの複合)が最も軽く、強度があり、耐腐食性にも優れたベストな選択となります。
特に重さは40cm□程度の大きさでは、木やゴムだと700~1000g以上程度、アルミ複合板は300g程度となります。通常、20~30枚使用しますからかなりの重量になります。UAV測量は、車で入れない所が多々ありますので、人手で運び設置となると重量は大事なポイントです。
また、対空標識はICT基準(地上解像度1cm/pix)で撮影しても、かなり小さく映ります。実際の作業としては、例えばMetashape等のソフトウエア内の一部のフレームで作業していきますので、フレームを大きくしたとしても予想以上に小さく、場所がわかっていないと探し出すのが難しく感じる位のサイズです。20cm、30cmでは、かなり厳しいと言えるでしょう。基本的には40cm×40cm程度以上(あまり大きすぎても持ち運びが不便)の大きさが望ましいです。
下図は、Metashapeでマーカを設定するときの実際の画面です。メイン画面に表示されている写真の中には、対空標識が二つあります。わかりますか。
45cm×45cmでも、これほど小さいのです。理論上は、人間の目と同じとされるフルサイズ換算で50mmレンズを使ったとすると、約70~80m先に45cm□があるのとほぼ同じです。20cm、30cmではかなり厳しいのがわかるかと思います。対空標識は、ICT基準で撮影した場合、およそ一つの標定点に対して、3~5枚の写真を指定します。10か所の標定点があれば30~50、20か所あればその倍になります。標定点の設定は、時間がかかる作業のため、見易さがかなり効率を決めます。
弊社の対空標識は、このような観点で材質とサイズにこだわって制作を行っております。お陰様で航空測量で有名なコンサル様、ゼネコン様からもリピート導入頂いております。
ご参考にしてください。
レーザスキャナボアキャリブレーション用もカスタムにて製作しております。