SHARE SLAM S20 IMU蓄積誤差に関して

一般的にSLAM LiDARは、時間の経過と共にIMUの蓄積誤差が発生する為、製品によっては測定時間の上限が決められていたり、測定開始時と終了時にゆっくりと8の字を描くキャリブレーションが必要な物があります。SHARE SLAM S20は、仕様上このような制限が無いため、電源を入れ、S20の準備が終了次第、測定を開始出来ます。

市街地ではRTKはGPSのマルチパスにより座標が飛んでしまいますので、GCPによる補正が中心になります。しかしながら、GCPによる補正をしてもオリジナルのデータの誤差が大きいとGCP間で段差、ズレが発生しますので、デバイス本来の持つ性能とソフトウエア処理含めた全体のアルゴリズムの性能が非常に重要となります。これは、LiDAR SLAM製品を選択する時の大きな要素と言えるでしょう。

この観点でのチェックを行う為に、SHARE S20では、RTKもGCPも使用せずに、下図のように公園の入り口からスタートし、一区画を一周する実験を行いました。

スタート地点と終点のずれが識別出来るように、岩や彫刻、白泉などが引かれている特徴のある場所を選定し測定を実施しましたが、下図のように生成された点群からは全くズレはみられませんでした。

そして、同様の実験を別の製品で実施してみました。こちらは、赤い矢印分の高度のずれがみられ、いわゆるレイヤー化(横から見ると地面が2層に見えます)が見られました。ちょっとこれは驚きだったため、この製品の追加調査をしています。

これらは紛れもない事実ですが、このようにSHARE S20は、8の字キャリブレーションを行う必要が無く、かつIMU蓄積誤差が小規模ですが実験においても見られませんでした。これは、以下のポイントで非常に有利です。

  • 住宅街などのエリアが制限される現場:8の字キャリブレーションを行うスペースがない場合が多い事。
  • 大きな現場:IMUの測定時間に制限があると、測定面積に限界が生じる事。

以上です。

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