ファントムでUAV測量を行う場合のメリット・デメリット

日頃から当HPをご利用頂きありがとうございます。
ここ3か月間ほど、PhotoScanのVer1.4版の日本語化や新しいツールの日本語化、日ごろからおつきあいさせて頂いているコンサル様へのPhotoScan講習などばたばしまして、記事の更新がおろそかになっておりました。ようやく少し落ち着きましたので、これからいろいろアップデート出来るかと思います。

さて、今回はファントムでUAV測量を行う場合のメリット、デメリットです。ファントムでもUAV測量を行っている会社様は結構いらっしゃいます。もともと、i-construction規格の前提は、専用機器を使用した測量とは違い、民生品を使う事を前提にしております。

民生品もホビー品から高額な機器までピンキリがありますので、規格としてはかなりガチガチにしている感があります。レンズ精度のよい一眼カメラあるいは、インスパイヤに使われているフォーサーズ準拠等のレンズに限定すれば、100m間隔の標定点はもっと緩和出来るのではないかと思います。

感覚的にはそのような規格ですので、ファントムでUAV測量を行っている会社様は多いのです。ちなみに、規格を制定している国総研は、ファントムは推奨しないが否定はしないという事です。

メリット

一番のメリットはやはり機材の価格だと思います。初めてUAVを導入する会社様にとっては練習も必要ですから、練習機としてもお手軽です。今までドローンなどを飛行させた事のない人にとっては3次元の操作はやはり苦労しますし、ぶつけたり、着陸時に転んでしまったりします。

カメラは、今では2000万画素クラス、1インチCMOSになっていますから、光学機器としての観点でも、値段を考えると優秀なのではないかと思います。欲を言えば、レンズはファントム4Proで24mm(35mm判換算)となっていますが、50mm(35mm判換算)程度の物があると、歪みも少なくなりますし、もっと高い高度で撮影できるようになるので(障害物を気にする必要が少なくなるので)、扱いやすくなるかと思います。

デメリット

UAV測量を前提として言いますと、デメリットは画角が小さい事です。カメラで使われるセンサーサイズが小さいと撮影できる範囲も小さくなります。そのため、センサーの小さいカメラはレンズを広角にして35mmセンサーのカメラと同等の画角を確保することになります。よって、レンズの歪みも大きくなりますし、小さいセンサーに大きな画角を入れるわけですから、ピクセル当たりの画質も落ちてしまいます。

下図はセンサーサイズの比較ですが、35mmフルサイズは一眼カメラで使用されるサイズ、マイクロフォーサーズは、インスパイアで使用されているサイズ、1型はファントム4から使用されているサイズです。

レンズが同じであれば、センサーサイズの差が画角の差となりますので、UAV測量を行ったときの写真枚数も、この差分が枚数の差として出てきます。

1型と35mmフルサイズでは、面積的に7倍位差があります。ファントムでは200~300m四方をUAV測量基準で撮影しますと300~400枚位になりますので、PhotoScanの処理はそれなりのPCが必要になってきます。ファントムであればこの面積辺りが限界とまでいかなくても実用範囲上限かと思いますが、一眼であればこの何倍もの面積をUAV測量する事が出来ます。

一眼カメラを搭載できるUAV等の機材は非常に高価になりますが、それだけのメリットがあります。ファントムではそれなりの面積しか対応できません。

以上です。

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