Metashapeに必要なPC性能と設定

弊社では、Agisoft Metashapeに必要な性能のPCをご提案します。

Metashapeに必要なパソコンの性能は?

下表は、Agisoftメーカのホームページに記載されている構成例です。独自に表で分かりやすく整理してみました。ベーシック、アドバンス、エクストリームの3つのレベルに応じて、CPU/メモリ/GPUの対応表となります。

ベーシック構成 アドバンス構成 エクストリーム構成

CPU

クアッドコア Intel Corei7

Intel Corei7
オクタコア ヘキサコア
デュアルソケット
Intel Xeon Workstation
メモリ

DDR3-1600

DDR3-1600 DDR4-2133
4 x 4 GB(16 GB) 4 x 8 GB (32GB)  8 x 4 GB
(32 GB)
8 x 8 GB
(64 GB)

GPU Nvidia
GeForce
GTX 980
Nvidea
GeForce GTX 1080
Nvidia GeForce GTX 980 Ti Nvidia
GeForce
GTX 1080
Nvidia GeForce TITAN X

弊社としては、表のグリーン領域を推奨しております。処理のスピードと規模は、後述しますが、予算との兼ね合いでどれだけ表の右側にするかという選択になります。測量を専門として大規模処理も考慮する人はグリーン領域の右側、そうではない人は左側になります。エクストリームは、ワークステーションになりますので、研究レベル用途となるかと思います。

但し、詳細を良く見ると世界と日本では事情が少し違う所もあるようで、日本では十数万程度のPCでも、メモリはDDR4-2666(PC4-21300)が使用されていますので、アドバンス構成のDDR-2133よりもメモリ転送速度は2段階位早くなっています。ですので、メモリの所は規格は気にせず容量のみを参考にしてください。また、GPUは日々新しい製品が出ておりますので、表で使用されている物がすべてではありません(少し情報は古いです)。

GPUが処理速度を決める

GPUとは、Graphics Processing Unit(画像処理装置)の略ですが、通常PCにはオンボードと呼ばれるマザーボードに最初からGPUが搭載されている物と、個別にグラフィックボードとしてGPUが搭載している物の2種類あります。前者は最低限の性能、後者は値段によりピンからキリまでの性能となります。いわゆるゲーミングマシンと呼ばれるものはこの後者の性能の良いものとなります。ゲームが一番PCの性能を要求します。

既にMetashapeを業務で使用している方でも、CPUやメモリは最新スペックでも、GPUはオンボードの物という方がいらっしゃいます。

ご存知のように、Metashapeは画像データを大量に処理するため、CPUよりもGPUの性能が処理速度を支配します。少し内部の動きを簡略的に説明しますと、CPU処理というのは、内部ではプログラムをメモリーから読み込み、そのプログラム内容をデコード(解釈)し、そして初めて実際の画像処理を行います。処理の過程においては、CPUの演算結果を一度メモリに退避し、次の演算結果が出たらまたメモリから先ほどのデータを戻して両者を演算、という具合にデータが行ったり来たりします。

対して、GPUは決まった処理はハードウエアで構成されていますので、そのまま画像処理を左から右に流れるように処理を行っていきます。プログラムやデータをメモリから逐次読み込み/保存する必要はないため、非常に高速なのです。また、その間CPUは別の処理を行う事が出来ますので、より全体の処理が速くなります。

しかしながら、GPUはかなりざっくり言うとハードウエアで構成されている関係上、柔軟性が無いのが欠点でして、Metashapeのようなソフトウエアに対応できるGPUの種類には制限があります。Metashape Ver.1.5で推奨されているグラフィックボード(GPUが搭載されたボード)は、以下の通りです。

NVIDIA:GeForce GTX400シリーズ以降
ATI:Radeon HD6000シリーズ以降

GeForceは世界のスタンダードとなっているGPUであり、RadeonはGeForceの互換となります。どちらも基本的には数字が高いほど性能が良くなります。

Geforceの最新最強であるGTX2080Tiは、ブランドにもよりますが、安値でも15万から19万台します。1世代前の1080Tiでも12万台です。1070Tiや1080辺りになると、5万~9万ですのでこの辺りが狙い目かと思います。常に最新ボードを購入できる資金があればよいですが、1、2年もするとお手頃価格になりますので、デスクトップPCの場合は、手ごろな値段のグラフィックボードだけを1~2年サイクル位で交換したほうが長期的な平均性能と、性能に対するコストがよいと思います。但し、ノートPCの場合は、交換は出来ませんので予算の許す限り、その時の最大性能のPCを購入するのが良いかと思います。

尚、デスクトップの場合、グラフィックボードを差し替えるにあたって、今のインタフェースはPCIExpが主流ですので、お使いのPC(マザーボード)が対応しているかを確認する必要があります。PCに詳しくない方にはおすすめできません。

メモリ容量が処理規模を決める

CPUは、GPUがしっかりしていれば、インテルi5でも問題ありませんが、今はi7がお安くなりましたのでi7シリーズを、そしてメモリ(RAM)は32GByteあればまずは十分かと思います。

もしこれからPCを購入する場合は、次の点を考慮してください。
通常、デスクトップのマザーボードにはメモリは4スロットあります。トータル容量が32GByteの場合、8GByte×4スロット構成よりも、少しお値段は高くなりますが16GByte×2スロット構成が望ましいです。将来、64GByteへ拡張する場合、16GByteをもう2枚買えば最小限のコストですみます。その頃には追加で買うメモリの値段もかなりお安くなっていると思います。また、メモリは2スロットずつ使う事で、デュアルチャネルに対応しているメモリ(今時のものは対応しています)であればデータ処理を高速化する事が出来ます。

尚、Windowsは32bitと64bitの2種類ありますが、64bitを選択必須です。32bit Windowsは、メモリ上限が4GByteまでになります。

PCは何を購入したらよいのか?

PCに詳しい方であれば、上述を考慮して、個別にパーツを購入し自作することも出来ます。が、個別に購入しても結構(いやかなり)割高になってしまいます。かといってメーカ品は、GPUの選択やメモリ構成を指定できません。そこで、以下のエントリーモデルが、カスタム性があり、性能とコストのバランスが非常に良いです。グラフィックボードも個別に買うよりも、PCとセットで購入する方が1ランク上の物を選択出来ます。

Desk TOP PC

①測量(中規模)・点検用

一般的に、後で述べる映像用モニタ(10万程度)を付けると、30万程度です。

  • WIN10 Home 64ビット
  • CPU:i7-9700K
  • メモリ:32GB (PC4-21300/16GBx2)
  • GeForce RTX2070 8GB
  • SSD 512GB、HDD4TB
  • DVD-ROMドライブ、マウス、キーボード付き

将来、64GBメモリの拡張も容易ですし、このクラスがあればほとんどのUAV測量の処理も十分でしょう。1、2年前の下記で述べる②に相当するクラスです。価格以上の満足感は得られると思います。

②測量(大規模用)

一般的に映像用モニタ(10万程度)の物を付けても、約50万前後で収まります。

  • WIN10 Home 64ビット
  • CPU:i9-9900K(3.60GHz-5.00GHz/8コア/16MBキャッシュ)
  • メモリ:64GB (PC4-21300/16GBx4)
  • GeForce RTX2080 Ti 11GB
  • SSD 512GB、HDD3TB
  • DVD-ROMドライブ、マウス、キーボード付き

UAV測量の処理にはとても良いPCです。お値段は少し張りますが、PCとしては最強です。スピードに対するコストパフォーマンスも大でしょう。これ以上はワークステーションになりますが、ワークステーションはスピードというよりも信頼性重視、大規模処理用途になり、同じスピードを出そうとすると価格は一桁増えてきます。研究用途領域です。

ディスプレイモニターに関して

モニターディスプレイは、写真の質を判断する上で非常に重要です。高度な色再現性が求められる写真向けの4Kモニターの選び方についてまとめたいと思います。

通常、事務用等のディスプレイは、1,920×1,080ドットの解像度が標準でいわゆるフルHD対応が主流ですが、画素数でいうと200万画素しかありません。今時のカメラは2000万画素、最新の一眼カメラでは4000万画素以上ありますので、モニタで見るときは相当に縮小された画像を見ています。現在、高スペックのモニタは3,840×2,160ドット、フルHDの4倍サイズの800万画素ありますから、写真の細かなディティールを確認することが出来ます。

また、色域といいまして、色の表示可能範囲も重要です。色域が広ければより色彩豊かな写真を表示できる能力があります。色域には、世界のスタンダードとなっているsRGB、より広範囲はAdobeRGBとあり、一般的映像用モニタはsRGBに対応しています。カタログなどでsRGBに100%対応となっていれば優秀といえるモニタですが、低価格の事務用のモニタはそのような表示さえないかと思います。AdobeRGB対応のモニターは、いわば画像編集を仕事とするクリエィティブ向けのディスプレイとなります。RAW現像、編集を行い、画面で確認した色がプリンターで表示されるかといったような方向けです(それだけ、自然界の色域は広く、逆にモニターの色域は狭いということです)。

私は写真測量で使用するモニタは、AdobeRGB対応のモニターまでは必要なく、sRGB対応の物で十分だと思っています(それでもいい値段します)。4Kの場合、広い領域を表示するため、モニタのサイズは32インチ程度は最低限必要な所(表示が小さくなりますので)ですが、メーカによりますが、10万~30万以上します。モニターは通常、メーカが変わると色合いが変わりますが、高価なモニターは工場でキャリブレーションを行って出荷しているため、一定の品質があります。値段と性能、評判を考慮して選択する必要があります。

最近、BENQとかDELLが驚くほど安い値段で高SPECなものを出していますが、飛びつかずに慎重な判断が必用です。長年評判の良いブランドで性能に見合った価格の物(その中でもリーズナブルな物があります)を選択することが大事です。高い物はそれなりの理由、逆に安い物にもそれなりの理由があります。SPECの数字にだまされてはいけません。

本記事は長い間、上位にランキングしていますが、今まで実際のPCやモニタの機種名を記載していましたが、そうしますと在庫が少ないものはすぐに売り切れになってしまいますので、今回は記載を省略いたします。

Metashapeライセンス購入をお考えのお客様は、PCのサポートをいたしますので、ご相談ください。

GPU性能を生かすための設定

Metashapeのメニューで、以下のように『ツール』から『設定』をクリックします。メニュー画面はVer1.42です(Ver1.5もほぼ同じです)。

『GPU』タブをクリックします。PhotoScanがグラフィックボードを認識していれば、図のようにその名称が表示されます。

速さ優先であれば、下の「GPUアクセラレーション処理時にCPUを利用する」をONします。その代り、PhotoScan処理中CPUも一生懸命動くため、他の処理を並行して行いたい場合、その処理レスポンスが落ちてしまいます。そこそこのGPUを搭載しているのでしたら、通常はOFFが良いかと思います。

ちなみに、Metashapeのマニュアルでは、以下のように記載されています。弊社日本語マニュアルから引用。

— ここから —

GPUタブでは、プログラムによって検出されたすべてのディスクリート(外付け)GPUデバイスがチェックされていることを確認する必要があります。MetashapeはGPUの処理能力を利用しプロセスを大幅に高速化します。ただし、Agisoftは、重い負荷のもとで不安定な作業が発生する可能性があるため、内蔵グラフィックカードアダプタの使用を推奨していません。GPUをオンにする場合は、少なくとも1つのディスクリートGPUを処理に使用することを前提として、「GPUアクセラレーション処理時にCPUを利用する」オプションをオフにすることをお勧めします。

— ここまで —

文中の『内蔵グラフィックカードアダプタの使用を推奨していません』というのは、前述した『オンボード』の事を言っています。きちんとしたグラフィックボードを使用してくださいという事です。

以上です。

テキストのコピーはできません。