UAV測量講座 Metashape(旧PhotoScan)処理に必要なパソコンの性能と設定

内容を更新しました(2019.02.10)

Metashapeに必要なパソコンの性能は?

弊社ではMetashapeライセンス販売と販売後のサポートを行っておりますが、そのお客様から、使用方法に関して質問があります。バッチ処理が終わらない、あるいは精度が出ないという事があるようです。よくよく話をしますと、行っている事は正しいのですが、根本的な所に問題がある事があります。

本日は、バッチ処理が終わらないに関連して、Metashapeに使用するパソコンの性能に関してご紹介したいと思います。

GPUが処理速度を決める

GPUとは、Graphics Processing Unit(画像処理装置)の略ですが、通常PCにはオンボードと呼ばれるマザーボードに最初から搭載されている物と、個別にグラフィックチップ(あるいはグラフィックボード)を搭載している物の2種類あります。前者は最低限の性能、後者は値段によりピンからキリまでの性能となります。いわゆるゲーミングマシンと呼ばれるものはこの後者の性能の良いものとなります。(ゲームが一番PCの性能を要求します)

既にMetashapeを業務で使用している方でも、CPUやメモリは最新スペックでも、GPUはオンボードの物という方がいらっしゃいます。

ご存知のように、Metashapeは画像データを大量に処理するため、CPUよりもGPUの性能が処理速度を支配します。少し内部の動きを簡略的に説明しますと、CPU処理というのは、内部ではプログラムをメモリーから読み込み、そのプログラム内容をデコード(解釈)し、そして初めて実際の画像処理を行います。処理の過程においては、CPUの演算結果を一度メモリに退避し、次の演算結果が出たらまたメモリから先ほどのデータを戻して両者を演算、という具合にデータが行ったり来たりします。

対して、GPUは決まった処理はハードウエアで構成されていますので、そのまま画像処理を左から右に流れるように処理を行っていきます。プログラムやデータをメモリから逐次読み込み/保存する必要はないため、非常に高速なのです。また、その間CPUは別の処理を行う事が出来ますので、より全体の処理が速くなります。

しかしながら、GPUはかなりざっくり言うとハードウエアで構成されている関係上、柔軟性が無いのが欠点でして、Metashapeのようなソフトウエアに対応できるGPUの種類には制限があります。Metashape Ver.1.5で推奨されているグラフィックボード(GPUが搭載されたボード)は、以下の通りです。

NVIDIA:GeForce GTX400シリーズ以降
ATI:Radeon HD6000シリーズ以降

Geforceの最新最強であるGTX2080Tiは、ブランドにもよりますが、安値でも15万から19万台します。1世代前の1080Tiでも12万台です。1070Tiや1080辺りになると、5万~9万ですのでこの辺りが狙い目かと思います。常に最新ボードを購入できる資金があればよいですが、1、2年もするとお手頃価格になりますので、デスクトップPCの場合は、手ごろな値段のグラフィックボードだけを1~2年サイクル位で交換したほうが長期的な平均性能と、性能に対するコストがよいと思います。但し、ノートPCの場合は、交換は出来ませんので予算の許す限り、その時の最大性能のPCを購入するのが良いかと思います。

尚、デスクトップの場合、グラフィックボードを差し替えるにあたって、今のインタフェースはPCIExpが主流ですので、お使いのPCが対応しているかを確認する必要があります。PCに詳しくない方にはおすすめできません。

メモリが処理規模を決める

CPUは、GPUがしっかりしていれば、インテルi5でも問題ありませんが、今はi7がお安くなりましたのでi7シリーズを、そしてメモリ(RAM)は32GByteあればまずは十分かと思います。

Metashapeのマニュアル(Ver.1.5)では、メモリ(RAM)容量と処理できる写真枚数は、以下のように記載されています。
・4GByteRAM:1000万画素写真 30~50枚
・16GByteRAM:1000万画素写真 300~400枚

今時のカメラは、2000万画素以上ありますので、300~400枚を無理なく行うとすると、32GByteRAM程度必要な所だと思います。

もしこれからPCを購入する場合は、次の点を考慮してください。
通常、デスクトップのマザーボードにはメモリは4スロットあります。トータル容量が32GByteの場合、8GByte×4スロット構成よりも、少しお値段は高くなりますが16GByte×2スロット構成が望ましいです。将来、64GByteへ拡張する場合、16GByteをもう2枚買えば最小限のコストですみます。その頃には追加で買うメモリの値段もかなりお安くなっていると思います。また、メモリは2スロットずつ使う事で、デュアルチャネルに対応しているメモリ(今時のものは対応しています)であればデータ処理を高速化する事が出来ます。

尚、Windowsは32bitと64bitの2種類ありますが、64bitを選択必須です。32bit Windowsは、メモリ上限が4GByteまでになります。

PCは何を購入したらよいのか?

PCに詳しい方であれば、上述を考慮して、個別にパーツを購入し自作することも出来ます。が、個別に購入しても結構割高になってしまいます。かといってメーカ品は、GPUの選択やメモリ構成を指定できません。そこで、以下のエントリーモデルが、カスタム性があり、性能とコストのバランスが非常に良いです。グラフィックボードも個別に買うよりも、PCとセットで購入する方が1ランク上の物を選択出来ます。

Desk TOP PC

ガレリア XT 標準構成¥129,980(税別)WIN10 、CPU:i7-8700、メモリ:8GB、GeForce GTX1060、SSD500GB、HDD1TB

この標準構成に対して、自由に構成を変更できます。プラス3.4万円で、32GB DDR4 SDRAM(PC4-21300/16GBx2/2チャネル)のメモリに交換可能です。将来、64GBメモリの拡張も容易です。このクラスがあれば、ほとんどのUAV測量の処理も十分でしょう。SSDの容量を増やしたりHDD容量を追加しても税込で20万前後位で収まるはずです。価格以上の満足感は得られると思います。

  • 推奨構成:¥167,680(税別)WIN10、CPU:i7-8700、メモリ:32GB、GeForce GTX1060、SSD500GB、HDD3TB

ガレリア GX70R8 標準構成¥304,800(税別)WIN10、CPU:i7-8700、メモリ:16GB GeForce RTX2080、SSD500GB、HDD1TB

プラス3.4万円でメモリをトータル32GBに、プラス7.8万で64GBに拡張可能です。RTX2080は、GTX1080の後継機種で、単品で購入すると最安値でも9万~11万する最新のグラフィックボードです。上述の通り、点群処理にはCPU性能よりも、グラフィックボードとメモリが大事ですので、UAV測量の処理にはとても良いPCです。お値段は張りますが、性能比に対してコストパフォーマンス大です。

  • 推奨構成¥要見積り WIN10、CPU:i7-8700、メモリ:64GB GeForce RTX2080、SSD500GB、HDD3TB

ノート PC

ガレリア GCF2070NF 標準構成¥222,980(税別)
WIN10 17.3型ディスプレイ CPU:i7-8750H メモリ:8GB GeForce RTX2070

プラス約3.67万円で、メモリトータル32GBに変更出来ます。バランスに優れた高性能なノートPCです。上記ミドルエンドデスクトップに引けを取らない性能です。メモリは32GBがMaxですが、このクラスがあれば、出張先でも大抵のUAV測量の処理は行えるかと思います。

  • 推奨構成:¥279,639(税別)メモリ32GB、SSD500GB、HDD 2TB、マウス追加(標準でマウスは付属してません)

ガレリア GCF2070RGF 標準構成¥222,980(税別)

上記GCF2070NFのディスプレイ15.6インチ版です。

  • 推奨構成:¥279,639(税別)標準構成からの変更点:メモリ32GB、SSD 500GB、HDD 2TB、マウス追加(標準でマウスは付属してません)

ROG ZEPHYRUS GX501GI 標準構成¥314,821(税別)
WIN10 15.6型ディスプレイ CPU:i7-8750H メモリ24GB、SSD 512GB、GeForce RTX1080

デスクトップPCのマザボードで超有名なメーカです。本モデルはカスタマイズできません。重量は、2.26kg(バッテリー含んでいるか不明)と一番軽いようです。極軽、極薄、極冷を売りにしています。メモリ容量が若干小さいのと、HDD増設出来ないのが残念ですが、この性能でも十分点群処理は可能なので、とにかく軽くて薄いもの重視という方にはとても良いPCだと思います。

Blade Pro (RZ09-01663E53-R3U1 / GTX 1080 / 1TB) 標準構成:¥499,800(税別)
WIN10 17.3型ディスプレイ CPU:i7-7820HK メモリ:32GB GeForce GTX1080

本モデルもカスタマイズが出来ません。最初からメモリ32GB、SSD 1TBです。HDDは増設できません。価格が高い割には、CPUなど世代遅れが使用されているので、性能に関して調べてみました。結果、全てガレリアに軍配が上がりました。次のモデルに期待します。

  • CPU:i7-8750Hは第8世代、i7-7820HK は第7世代のCPUで、第8世代の方がスピードは1.5倍近く早いようです。
  • Geforce:当時の最強GTX1080は、1年半近く遅れて出てきた最新の廉価版RTX2070とほぼ互角のようです。市場価格的にもほぼ5万~9万と同じ位となっております。
  • ノートPC重量:Blade Pro3.49kg(バッテリー含むのか不明)、GCF2070NF 2.96kg(バッテリー含む)となっています。バッテリー容量の話もあるので、一概に比較は出来ませんが。

結論としては、ガレリア GCF2070(17.3型ディスプレイ)もしくは、GCF2070RGF(15.6型ディスプレイ)をお勧め致します。

GPU性能を生かすための設定

Metashapeのメニューで、以下のように『ツール』から『設定』をクリックします。メニュー画面はVer1.42です(Ver1.5もほぼ同じです)。

『GPU』タブをクリックします。PhotoScanがグラフィックボードを認識していれば、図のようにその名称が表示されます。

速さ優先であれば、下の「GPUアクセラレーション処理時にCPUを利用する」をONします。その代り、PhotoScan処理中CPUも一生懸命動くため、他の処理を並行して行いたい場合、その処理レスポンスが落ちてしまいます。そこそこのGPUを搭載しているのでしたら、通常はOFFが良いかと思います。

ちなみに、Metashapeのマニュアルでは、以下のように記載されています。弊社日本語マニュアルから引用。

— ここから —

GPUタブでは、プログラムによって検出されたすべてのディスクリート(外付け)GPUデバイスがチェックされていることを確認する必要があります。MetashapeはGPUの処理能力を利用しプロセスを大幅に高速化します。ただし、Agisoftは、重い負荷のもとで不安定な作業が発生する可能性があるため、内蔵グラフィックカードアダプタの使用を推奨していません。GPUをオンにする場合は、少なくとも1つのディスクリートGPUを処理に使用することを前提として、「GPUアクセラレーション処理時にCPUを利用する」オプションをオフにすることをお勧めします。

— ここまで —

文中の『内蔵グラフィックカードアダプタの使用を推奨していません』というのは、前述した『オンボード』の事を言っています。きちんとしたグラフィックボードを使用してくださいという事です。

以上です。

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