UAV測量などの自律飛行前に確認すべき事

弊社のお客様の傾向は、趣味でドローンをというよりも、仕事でドローンを扱われている方が圧倒的に多いため、かなり厳しい条件の所でUAVを扱われいる方が多いようです。最近、弊社お客様で発生した事例と弊社の経験も含めた問題事例のご紹介になります。

弊社でも経験しているのは、大きな構造物の近くでフライトしているとGPSが切れたりします。大きな橋、シェルターです。これらは、鉄筋が含まれているため、上空からきたGPSの電波がこれら構造物にあたり乱反射します。その結果、ドローンがこれら構造物より少し上で飛行していても、乱反射の電波によってGPSをロストするケースがあります。GPSの電波は、2.4GHz帯と周波数は高いため光の性質に近いのですが、それでも多少の反射は発生します。

ドローンの高度が構造物よりもずっと高ければ問題はありませんが、それほど高くはない場合、経験的には構造物よりも5メートル程度の高さの場合は、反射の影響を受けます。聞いている話では、UAV測量の自立飛行中に(対地40メートル程度)、鉱山などの山の影響によりロストしたという話も聞きます。まわりの地形の影響等も絡む話なのかもしれません。

また、高圧電線の近くやその直下は、電線での強い磁場によってGPSや送信機の電波が遮蔽されてしまいますので、同じような事が起きます。また、GPSだけではなく、ドローンはコンパスを搭載しており、このコンパスを基準に飛行していますので、コンパスが狂いやすい環境(磁場、鉄筋)には注意が必用です。DJIで言えば最新の機体は、コンパスが狂っていると飛行制限(確か記憶では高度10mまで)がかかりますが、以前のS900やS1000などをタブレットを使用しないで飛行(双葉の送信機を使用)する環境では、機体のステータスは光による点滅表示のみですので、コンパスが狂ってもエラーがわかりにくいため注意が必要です。

Ground StationやLitch、弊社で扱っているUgCSなどの自動操縦は、コースデータをドローンに転送し自動操縦させると、送信機の電波が切れてもデータに基づいて飛行しますが、GPSやコンパスが狂うと、おかしな方向に飛んでいきます。完全なロストの場合は、その場でホバリング(もちろん風には流されます)だけですが、GPSが大きくずれている場合は、数百メートルの位置ズレの所へ飛んで行ってしまします。これは、実際にあったお客様の事例です。

自動で飛行させる前は、コンパスのデータが狂っていないか、ホームポジションは正常な位置を示しているか、UgCSの場合は、標高データも正しく表示されているか、GPSロストの場合のドローンの振る舞い(ほとんどは不時着モードに入る)、緊急時のマニュアルモードへの変更方法を事前に確認するようにお願い申し上げます。飛ぶものはいつか絶対落ちますので、リスク管理が大事だと思っています。

以上です。

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