2カ月ほど前のお話です。
弊社からMetashapeのライセンスを購入され、サポートに加入されているお客さまですが、ファントム4RTKを使用しているが、測量で精度が出ないという相談がありました。(出張先で夜、お酒を飲んでいたところに携帯に電話がかかり、酔いが覚めてしまいました…)
精度が出ないというのは、「標定点でがっしり固めてしまえば精度は出るが、標定点を少なくした場合に、精度がわるくなったり、誤差の出かたとして、+誤差、-誤差がどちらにも大きく振れるとのことでした」。値は5cmに入っていても、どちらにも大きく振れるというのは、普通ではない状態ですので、何か原因があると直感しました。
そのお客様は、「ジオイド変換を他社のものを使用して変換しているが、以前の担当者様が購入してから時間が経ち、バージョンが明記されていないので、どのような状態になっているか不明で、これが原因かもしれない」とおっしゃっておりました。弊社のジオイドモデルを購入前提に、弊社のモデルで実際に変換し、Metashapeの結果を確認して原因を確かめたいという事でした。
この時、脳裏にひらめいたのは、少し前にZenmuse P1 測量の精度が出ない問題でした。ですが、ファントム4RTKの場合は、P1と違って機械式シャッターのみしか設定できないので、電子シャッターが原因ではなさそうな事は想像できます。原因を解決するためには、ひとつずつ怪しいところから潰していかないといけません。
お客様と何回かやり取りをしまして、以下の点を確認しました。
- 現在使われているジオイド変換が正しいかの確認の為、弊社ジオイドモデルを使用してMetashape処理をした場合の結果確認
- お客様のMetashapeの設定が正しいかの確認、問題なさそうでしたが、傾向を知りたいので、試しにある部分の設定を変更しての実行。
- 上記1~2は問題無かった為、実際のデータ(一部)の確認
上記により、1~2は問題なく、3番にて原因がわかりました。
XMPのデータを確認しますと、drone-dji:RtkFlag=”1″となっておりました。正常な場合は、この値は50になります。また、下図のように.bin/.obsが0KBになっていることも確認でき、RTKモジュールとカメラのリンクに問題がある可能性がある事がわかりました。
ここまで、実際に調べ始めてから、メールなどでやりとり含め2日程度でした。お客様のファントム4RTKは、弊社にて購入された機体ではないという事なので、購入された販売店にて修理に出してもらいました(産業機は、販売店経由でサポートするルールになっています)。
この様に、ファントム4RTKとはいえど、撮影後のXMPの値は最低限チェックするようにしてください。drone-dji:RtkFlag=”50″が正常です。
お客様もかなり調べてから弊社に問い合わせをされたため、今回のケースではハードウエアが問題とわかりましたが、ほとんどの場合、原因としては、点群処理ソフトウエアを適切に処理していない場合の方が多いです。弊社は、トータルでサポート出来る体制を整えています。
ご参考まででした。