UAV測量における写真撮影の注意点

以前、弊社の記事の中で、「UAV測量に最適なドローン(カメラ)選択」をご紹介しましたが、今回はその内容の補足になります。Metashapeのサポートの中でも感じるのですが、、ほとんどの方が過った写真撮影を行っています。

カメラの撮影モード

誤った方法というのは、カメラのモードをAuto設定にして撮影しています。色々調べて行っている方は、「分かりきったこと」と思われるかもしれませんが、実際にはほとんどの方が出来ていません。

UAV測量の基本は、「シャッタスピードを出来るだけ上げる」、「絞りを出来るだけ絞る」、「ISOは過剰に上げない」という3つの要素が求められています。これは頭では理解していると思いますが、これらのパラメータのバランスを良い所で行うとなるとマニュアル撮影では失敗したら困る、という思いが強く働き、皆様Autoで撮影してしまっているのが現状です。

DJIドローンのカメラに限らず、Autoはシャッタースピードを上げようとして絞りを大きく開く(F2.8~F4.0)傾向が強く出ます。絞りが開くとフォーカス(ピント)の合う前後領域は限定されてしまいます。写真測量にとっては致命的です。詳細は次章で記載します。

またAutoは、曇りの場合、太陽を通る雲の量によって設定が常に大きく変わります。雲が少しかぶり暗くなると絞りを開けて撮影するので、写真は逆に急激に明るくなります。当然ながらその逆も起こります。連続した写真の中に急に暗くなったり明るくなったりする写真は、Metashapeに限らず3Dモデルソフトウエアにとっては苦手な写真です。

Auto撮影は、上記の現象が生じますので、マニュアルでシャッタースピーと絞りとISOを良いバランスで撮影することが大事です。私はISOを400まで上げています。今時のカメラは昔のとは違ってISO400でもノイズはかなり改善されていますし、UAV測量は日中に撮影しますのでノイズが発生したとしても目立つことはありません。もし多少ノイズが発生したとしてもこのわずかなノイズよりもMetashapeの処理にとって大事なのは、鮮明な画像、つまり高いシャッタースピードとフォーカスです。ISO400位まで上げれば、絞りを入れたとしても(F値が大きくなる)シャッタースピードは、1/500秒程度まで上げる事が出来ます。

絞り

カメラが趣味の方は、よくご存知だと思いますが、絞りを大きく開く(F値が小さくなる)と、フォーカスがあっている前後はぼけます。これは、センサーが大きいものほど重心距離が大きくなるので、ぼけは強くなります。写真で背景をぼかすテクニックがありますが、それはセンサーが大きい、いわゆる一眼レフカメラが使われています。

センサーサイズが大きいという事は、画質にとっては良いことなのですが、扱いは難しくなります。逆にセンサーが小さいカメラは、ぼかすことは難しいのですが、初心者にとっては扱いやすいのです。Auto(絞りを気にしない)で撮影してもボケないからです。

一眼カメラ(F2.8)

スマホで撮影

上記は、UAV測量時の撮影にも当てはまっていて、ファントムでは問題にならなかったぼけが、インスパイアなどのX5S/X7の高級カメラになると問題が出てきます。地面にピントを合わせれば、木の上の方の枝や葉はボケてしまいます。撮影領域中に部分的に森林等があり、一部の写真がぼけてしまったりすると点群にホールが出来てしまったり、あるいはひどければ全体が全て繋がらなくなってしまいます。

下図は、X7の写真ですが、Autoで撮影すると絞りはf6.3 シャッタースピード1/200秒、ISO100となり森林上部の方はピントが合っていません。こうなると撮影は失敗で点群は生成されなくなる可能性が高くなります。

インスパイアのカメラを使用する場合は、確実にマニュアル設定の上で、絞りをF8程度はキープし出来ればそれ以上にしてください。シャッタースピード優先、絞り優先も結局はAutoと同じで、太陽の雲のかかり方により明暗が大きく出てしまったりしますので、マニュアルでの撮影をお勧めします(Autoは確実という思い込みは消します)。慣れてくるまでは2~3回設定を少し変えて撮影できるとベストです。また、実際に全体を撮影する前に、事前に設定出しの試し撮りを行い、PCで確認すると良いかと思います。ファントムであっても基本は同じです。

これらの基本を知らないと、カメラを高級なもの(センサーが大きいもの)に変更した途端、UAV測量が上手くいかなくなったという事が起きる人がいらっしゃいます。

尚、補足ですが、UAV測量の基準では、明確にカメラへの要件は「マニュアル設定出来るもの」を要求しています。その意図はこれまで述べた内容の事から来ています。写真測量は写真が命です。測量屋さんにとってはカメラは関係ない事のように思えますが、測量機器の一つですので正しい扱いを覚える必要があります。

以上です。

テキストのコピーはできません。