皆さまは宇宙天気予報をご存知でしょうか。今回は、ドローンを飛行する上で注意しておきたい内容になります。
太陽は、11年周期で活動が強まったり、弱まったりします。太陽は2019年12月に極小期で、その後徐々に強くなっており、太陽の活動は2025年がピークと言われています。その証拠に、活動の目安である黒点の数が増えています。
太陽は活動が強くなってくると太陽フレアが強くなり、その電気を帯びた粒子が地球に届く事でGPSや短波の無線が影響を受けるなど様々な事象が発生します。最近、低緯度オーロラが新潟や北海道で見られる様になっているのもこのためです。
太陽フレアの爆発の大きさは、上から順に、X、M、C、B、Aとあり、その中でもX50は50年に1度、X30は30年に一度、X10は10年に一度の発生頻度があります。1989年3月に、このXクラスのフレアによりカナダのケベック州では、9時間の停電が発生しました。アメリカ・ニュージャージー州でも変電所が破壊されたとのことです。
2001年4月、飛行中の航空機と空港の間で電波が届かなくなる事態が発生しました。航空機はおよそ40分間位置がつかめなくなり、大事故につながりかねない状況でした。
2022年2月、スペースエックス社が打ち上げた通信衛星49基のうち最大40基が、大気圏に落下しました。太陽フレアにより、地球の大気が加熱されて膨張し、その大気の抵抗が増したために衛星が軌道を外れ落下したと考えられています。
このように、太陽フレアによって、GPSや通信に大きな影響が発生します。今後は上記のXを超えるスーパフレアが発生する可能性もあるという物理学者もいます。またフレアの強さだけではなく、フレア発生時の向き、つまり地球側か否かも大きな影響を及ぼします。ドローンを飛行する場合は、地上の天気はもちろん、太陽フレアによる地場の影響も考慮したいところです。
下記は、国立研究機関が運営している宇宙天気予報です。用語が難しいですが、「ユーザガイド」に詳細な説明が記載されています。
- 太陽フレア
- プロトン現象
- 電離圏嵐
- デリンジャー現象
- スポラディックE層
測位(GPS)の誤差に影響するのは、
- 太陽フレア
- 電離圏嵐
とありますので、この辺りが静穏(Lv.1の緑)の時に飛行されるのが良さそうです。
以上です。