MATRICE300 RTK + Zenmuse P1 測量精度検証

弊社飛行場にてMATRICE300 RTK + Zenmuse P1の組み合わせによる測量の精度検証を行ってみました。Metashapeを使用しています。

製品の詳細に関しては、ここでは省略致します。詳細は下記をご参照してください。

MATRICE300 RTK https://kuu-satsu.com/dji-product/dji-matrice-300-rtk/
Zemuse P1 https://kuu-satsu.com/dji-product/zenmuse-p1/

撮影条件

北海道は4月~6月中旬までいつも風が強い傾向にあり、当日もかなり強い風が吹いておりました。RTK精度に大きく影響が出ている可能性があります。

項目 条件
測量面積 約2.85ha(244m×117m)
画像枚数 186枚
地上解像度 1.0 pix/cm @ 高度80m OL80% SL60%
天候 薄曇り、風速6m前後(業務であれば通常は飛行をしない程度の風)
RTK ネットワークRTK(リアルタイム補正)
*弊社ジオイドモデルにてMetashape上にて楕円体高から標高へ変換。

カメラの設定

フルサイズのセンサーですので、被写界深度を考慮し、写真測量の定石通りまずは絞りを多めに入れて撮影を実施しました。Zenmuse P1は、マニュアル設定にすると絞りとシャッタースピードの二つを優先にする事が出来、ISOのオートをONにする事ができます。このようなモードは通常の一眼カメラにはありませんので、空撮を楽にするためのDJIオリジナル機能と言えます。これにより、天気の状況により露出不足、露出オーバを防ぐことが出来ます。但し、一般にISOが大きくなりすぎるとノイズが出る弊害も出てくる為、注意は必要です。ノイズ耐性は別途検証したいと思います。

ちなみに、マニュアルモードではなく、シャッタスピード優先にすると、絞りが開いてしまうため、ピントが合っている前後領域でボケが発生しやすくなりますので、高低差の大きい場所では、注意が必要です。

項目 内容
機材 Zenmuse P1
・センササイズ:35.9×24 mm
・有効画素45MP
・35mm/F2.8レンズ
設定 マニュアル設定にて
・シャッタースピード:1/1000秒
・絞りF11
・ISOオート
フォーカス マニュアルフォーカス:∞
(事前に無限大キャリブレーション実施が必用)

標定点・検証点

標定点P1~P4、検証点E1~E2を設定し、標定点の有無で検証点精度がどのように変化するかを確認。P1とP2間は240mありますので、i-con基準では厳密にはもう2つ間に標定点を設置すべきですが、RTKの検証なので周囲4点のみとしています。

*標定点、検証点の座標は、GNSS RTK(VRS無し)で計測。

精度

以下は、標定点の各条件における検証点でのRMS誤差(m)の結果です。

  • P1~P4を標定点として指定したケース
  • P1~P2のみを標定点として指定したケース

やはり標定点が多いほど検証点の誤差は小さい傾向にあります。

P1~P4を標定点として指定したケース

P1~P2のみを標定点として指定(災害時を想定)したケース

考察

Zenmuse P1は、上述のように、絞りとシャッタースピードを優先としたマニュアル設定でも露出不足、オーバにならずに絞りを多く入れて撮影できるため、いわゆるコンパクトカメラのように撮影できるかと思います。

今回の撮影では、絞りをF11としたため、ISOは1200~20000位まで触れておりましたが、弊社の32インチsRGBモニターで見る限りは、ノイズは見受けられませんでした。Metashapeの処理でも問題は発生していません。薄曇りが無く太陽光が出ていればISOは1000切るくらいになるかと思いますが、バランスを考えると絞りはF8~9位でも良いかもしれません。

ミッション飛行におけるカメラのピントは、最初のスタート地点か、無限大のどちらかの選択となるため、高低差の大きいところは、被写界深度を大きくするうえでも絞りは出来るだけ絞った方が良いので、今回のF11位が必用になるかと思います。

誤差に関しては、GCPや検証点の座標測定はGNSS(RTK)で測定しており、基準点からの距離により理論上1.9cm程度の誤差が発生しています。それを考慮すると妥当な所だと思います。(まれにネットにて、GCP自体の測定誤差よりもはるかに少さい結果を見かけますが、論理的におかしな話です。)

今回掲載しました結果に関しましては、あくまでも一例であることをご了承ください。

以上です。

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