掲題の通り、コンサル様、橋梁点検会社様、警備会社様の全面協力の元、ドローンを使用した橋梁点検へのトライアルを行ってきました。
橋梁点検は、2014年7月1日からトンネルや2メートル以上の道路橋などを5年に1回の点検を義務化とし、国土交通省道路局は、「道路橋」、「道路トンネル」、「シェッド・大型カルバートなど」、「横断歩道橋」、「門型標識など」の5種類の定期点検要領を公開しています。点検方法は近接目視が基本であり、必要に応じて、触診や打音検査を含む非破壊検査が必要です。
一方で、政府のロボット新戦略では、「インフラの目視点検等にロボットを活用することで、技術者による維持管理を効率化・高度化を図り、2020年頃までには、国内の重要インフラ・老朽化インフラの20%はセンサー、ロボット、非破壊検査技術等の活用により点検・補修を高効率化する。」と明記されており、今後の点検に特化したドローン研究開発、マニュアル改定が待たれます。
今回の目的は、橋梁点検の会社様で行う点検で確認出来ない所をドローンで確認出来ないかという実験であり、実際にやってみるといろいろと課題が見えました。少なくても、現状のドローンでは、ドローン操縦者に高度な技術が必要です。
今後、ドローンによる点検を普及させるためには、建造物や地形、草木等によるGPSや操縦電波の障害対策(複数のレピータの設置)、風の影響をうけない定点ホバリング安定の強化、ひび割れ等の幅や長さの計測可能な手段、万が一ぶつかっても機体の損傷防止、等が必要と感じました。
写真をご覧いただくとわかるかと思いますが、ピア周辺は障害物が非常に多く、操縦者は点検するピアまで足場が悪く近寄れないため、遠隔から障害物を避けながら、かつ送信機電波の死角を避け、機体を操縦しなければなりません。ドローン操縦の専門職の方でないと難しいと思います。
今回、ドローンはファントム4Proを使用しています。いくつか写真をご紹介いたします。
(写真サイズは16分の1程度にしておりますが、読み込むまで重いかもしれません)