前回、同タイトルで記載しました続きの内容になります。
ドローンの導入コスト・課題(1st) -土木・建築・測量関係の経営者様向けー
前回、大きくは、ドローンの市場、開発傾向、導入コストを記載しました。今回は、課題をまとめたいと思います。私自身や、私の周囲でドローンを導入された個人あるいは、会社様等の事例となります。特性上、あまりリアルに記載することは出来ませんので、内容からくみ取って頂ければと思います。
課題① ドローンの使用用途・購入タイミング
今ドローンは、いろいろな産業で注目を浴びていますが、現実問題、実際に仕事で使えるのは、TVやCMなどの映像関係、土木建築などの進捗撮影、一部の測量、とごくわずかです。今後、ロボット政策により点検への導入、警備、物流、救助、等、状況は変わってくる可能性はありますが、まだまだ未知数です。
ドローンの機能や性能も、昔の携帯電話のように日々進化しているため、現状では、購入したけどほとんど使わずに古くなってしまったということにもなりかねません。購入費用は、前回の記事でも述べたように、大型の物は数百万とかかってくるため、業務の状況に合わせて、短期、中期視点で購入計画を考える必要があります。
ドローンの可能性はわかるけど、今実際には何ができるの? が各社様の共通課題だと思います。
課題② ドローン運行のリスク管理
最近、2記事ほどドローンのトラブル事例を記載しました。
伝えたかったメッセージは、ドローンを完全に信用してはいけませんという事です。電波を使用した機器、パソコンやタブレッドのように汎用といいますか、使い方が限定されていないコンピュータを使用したシステムは、信頼性はどうしても低くなります。
また、ドローンの危険性を知らない方は意外に多く、そういった方は、おもちゃ的なイメージを持たれています。ご覧になられた事がある人はわかるかと思いますが、8キロクラス以上(一眼カメラ+αを持ち上げるクラス)のドローンは、近寄りがたいプロペラの威力を持っています。扱いを間違えると本当に危険だと思います。
仕事で運行するとなると、それなりの安全管理が必要になります。経営者様あるいは、お金や人事に決裁権がある上位職の方がきちんと最初から現場に介入し、運行体制や組織を見る必要があると思います。理由は、後述の課題④も絡んでいるからです。
課題③ ドローン操縦者の育成
通常、主の本業があり、その本業の付加価値向上にドローンを導入するケースが多いかと思いますが、従業員にドローン経験者はまずいないかと思います。外から募集するにしても、ドローンだけ出来る人を雇うというのも、コスト対効果としては難しい事でしょう。
内部でドローン操縦者を育てるという方法がありますが、ドローンは悪者のイメージがあるのか、皆さん興味を示さないようです。ドローンは、最低限4チャンネルの操縦+カメラのチルト制御で、計5チャンネルの同時操縦が必要です。ドローンを自由自在に扱うとなると、それなりの訓練が必要になるため、プロを養成するには時間がかかります。何よりも、本人の意欲が必要になります。
国の規制許可を取得するためには最低10時間の訓練が必要になりますが、本来はそれだけでは、練習内容も飛行時間も足りないと思います。練習内容や業務内容、本人の資質にもよりますが、最低限、100時間~だと思います。
課題④ 担当者の負担が大きい
課題③にも関連しますが、ドローンの担当者は、専任であれば問題ありませんが、それはまれでして、本業と兼任します。そして、自分以外にドローンを扱える者は育ってこないため、業務の負担がどんどん大きくなってきます。精神的にも追い込まれていきます。特に既存ドローンを改造して他では出来ない事をやっておられる方は、ドローンに非常に時間がとられます。
また機体が高額でモデルチェンジも早いため、需要が多くない所では、予備機の用意がむずかしくなります。予備機が無いというのは、失敗出来ない仕事ほど、担当者にとってはとても強いストレスがかかります。ぜひ、経営者様は、これら複合的な課題に直面している現場の状況を見ることが大事だと思います。
まとめ
ドローンの導入や、既に導入している会社様の組織改善の参考にして頂ければ幸いです。
以上です。