UAV測量講座 i-construction基準観点の必要な機材・ソフトウエア

最新状況を踏まえアップデートしました:2023.06.08。

初めてUAV測量を始めようというお客様にとっては、必要な機材やソフトウエアは何か?という疑問があるかと思います。結論から言いますと、目的とする測量の精度、規模、予算に依存するというのが回答になるかと思います。

国土交通省のi-construction基準からの観点で言いますと、前提としている機材は測量専用の機材ではなく、民生用機材を前提としています。従って、ドローン、カメラ、点群処理ソフトウエア等は、精度をクリア出来れば何を使っても良いという事になります。

ドローン・カメラは何を使えばよいか?

産業用途としていま世界で最も普及しているドローンとしては、DJIのMavic3 Enterprise(以下、Mavic3E)、Matrice300 RTK(以下、M300R)になります。
https://kuu-satsu.com/dji-product/

Mavic3Eは小型機、M300Rは中型機となります。Mavic3Eは、200万画素のカメラが機体に固定されており、交換はできません。M300Rは、用途に応じてカメラやLiDAR、赤外線などを選択して装着することが出来ます。

どちらも今では、測量の技術であるRTKが標準で装備されており、撮影した写真のJPEG内のXMP領域にRTKで補正された正確な座標が埋め込まれている為、後述する点群ソフトウエアでその座標を元に対象物(測量であれば地面、構造物点検であればその構造物)をcm誤差で正確にモデリングすることが出来ます。

また、最近はoblique 5Lens camera(以下、5眼カメラ)の登場により、真俯瞰、斜め前、斜め後ろ、斜め右、斜め左の5方向を同時に撮影し、RTKと連動することにより、GCP(Ground Control Position:いわゆる対空標識による基準点)がなくとも、弊社の検証では精度は2~3cm程度に収まるようになりました。一般的に写真測量は、Z方向の推定が難しく、従来のSingle lens cameraでは、RTK搭載といえども、条件によってはZ誤差が5cmをオーバしてしまう事もありましたが、5眼カメラではその弱点を完全に克服しています。三角測量の写真枚数が増えるため、当たり前といえば当たりまえではありますが、数年前では考えられなかったことです。

また、5眼カメラは5方向を同時に撮影するため、町をモデリングした時に建物の死角が減りモデリングの再現性が高りますし、測量の場合においても、地面の面がきっちり出る特徴があります。例え精度が良くても、面がゆらゆらしていては、よくありません。

お時間がありましたら、以下もご確認ください。

Mavic3 EnterpriseのUAV測量 精度検証結果 (kuu-satsu.com)

SHARE PSDK102S V3カメラの検証レポート (kuu-satsu.com)

点群ソフトウエアは、何を使えばよいのか?

いわゆる点群ソフトウエアは、モデリングソフトと言われたり、または、専門用語ですと、SFM/MVSソフトともいわれます。SFMとはStructure from Motionの略で、画像からカメラの撮影位置を推定し、三次元形状を復元する技術です。MVSとはMulti- View Stereoの略で、複数枚の画像から共通の特徴点を解析する技術です。点群処理は、この二つの技術を用いて処理されます。

弊社でお勧めしているソフトウエアは、Metashape、RealityCapture、DJI Terraなどがあります。Metashapeは多くの機能とそして処理の速さ、正確なオルソモザイクの描画が特徴的です。全てにおいてバランスの良いソフトウエアであり、測量用途に向いています。弊社(のみ)で提供しているジオイドモデルとマニュアルを使用すると、Metashape上で楕円体高から標高へ変換することが出来ます。

RealityCaptureは、既に何かの点群ソフトウエアを持っており、2ndソフトウェアとして購入したお客様向けです。非常に処理が早くきれいな点群を描画します。米国PC会社のベンチマークでは、Metashape、Pix4dと比較して、RealityCaptureが圧倒的に優位となっています。但し、ジオイドの変換は出来ない為、上記Metashapeなどで変換しRealityCaptureにインポートする必要があります。測量用途はもちろん、VFX(映画の背景)などにも使用されています。

DJI Terraは、i-constructionに特化したソフトウエアであり、必要最低限の機能しかありませんが、逆にいうと無駄な機能がなく、初めて点群を使用する方には使いやすいソフトウエアといえます。

また、点群ソフトウエアを使用するためには、ある程度パワーのあるPCが必要となります。以下をご参考にください。
https://kuu-satsu.com/photoscan-pcspec/

また、下記にてMetashapeをお試しで触って頂きますと、理解がふかまるかと思います。
https://kuu-satsu.com/agisoft-metashape/

尚、念のため付け加えておきますと、i-constructionを運用するには、これらソフトウエアの後段として、福井コンピュータ様やKENTEM様などのトレンドポイント、SITE-Scopeなどが必要になります。

ご相談頂ければ最適な機材(点群ソフトウエア及びドローン)をアドバイス出来ますので、お気軽にご連絡ください。

sales@kuu-satsu.com 担当:松浦

以上です。

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