ドローンとは全く関係のない仮想通貨により思わぬ影響が出ています。
グラフィックボード(GPUつまり画像処理Chipを搭載したボード)は、本来ゲーム用に開発された物でありますが、3Dモデリング処理に必須な事からPhotoscanユーザなど使われている方も多いかと思います。そのグラフィックボードは、仮想通貨の相場高騰によりマイニング収益性が高まり、需要が大きくなっています。
マイニングとは、仮想通貨を取引する上で全ての取引を取引台帳に記録する事が必要ですが、その記録や更新作業を言います。膨大な演算処理を最も早く行った人に報酬として仮想通貨が支払われます。このマイニングは、ASICと呼ばれる専用のマシンもありますが、ビットコインの種類によっては、演算時に多くのメモリが必要とするものもあるため、パソコンに最新のGPUを搭載し処理を行います。このマイニングは、最新の高速GPUがあれば、ソフトウエアをダウンロードしちょっちょっと設定するだけで稼働出来ます。
GPUをフル稼働すると多くの電力が必要となりますが、報酬で得られた仮想通貨から電気代を引いたものが利益となります。当然ながら得られる仮想通貨の相場が高ければ利益率も高くなりますが、イーサリアムは今年(2018年)の1月に大きく暴落したものの、昨年秋ごろの価格に比べて約3倍の価格を維持しており、収益性が高い事からマイニング需要も高くなっています。2017年9月にGMOインターネット、DMM.comがマイニング事業に参入と発表がありました。個人だけではなく、企業としても参入が相次いでいます。
そのため、世界的に高性能グラフィックボードの需要が増加しており、アメリカでは最新のAMD Radon RX580やNVIDIA GeForce GTX 1080などの高性能ボードは在庫切れが常に続いているそうです。日本は電気代が高くなっているためかそのこまでは加熱はしていませんが、2017年末から2018年にかけてグラフィックボードの価格は上昇の一途をたどっています。
GPUメーカとしては、この仮想通貨相場がいつまで続くかは先が読めないため、量産設備の増加は出来ないようです。
Photoscanの処理に必要なグラフィックボード、思わぬところからの影響で今後の推移が気になるところです。
以上です。