UAV LiDARによる公共測量

作業規程の準則 UAVレーザ測量の重要ポイント

UAVレーザ測量は、国土地理院の作業規程の準則 第4編・第4章「UAVレーザ測量」に記載されています。

1. UAVレーザ測量とは

UAVにGNSS、IMU(慣性計測装置)、レーザスキャナなどを搭載して地形・地物を計測し、取得したデータから3次元点群データや数値地形図データ等を作成する測量です。 (例)M400+LiAir H600

2. UAVレーザ測量の工程

準則では、UAVレーザ測量を大きく次の工程で実施することを標準としています。

① 成果品の要求仕様を決める
② 作業計画
③ 作業仕様の策定
④ UAV LiDARによる計測・点群作成
⑤ グラウンドデータ等の成果作成
⑥ 成果データファイル作成
⑦ 品質評価
⑧ 成果等の整理

成果品の要求仕様の策定

最終的にどのような成果品を、どの程度の精度・密度で作るのかを最初に決めます。基本となるのは、以下です。

  • オリジナルデータ
  • グラウンドデータ
  • グリッドデータ
  • 等高線データ
  • 数値地形図データ

また、フィルタリングを行う場合は、どの項目をフィルタリングするか、点群の点間距離・格子点間隔をどうするかも目的に応じて設定します。

三次元点群データ

成果品 標準点密度 標準要求精度
グラウンドデータ 10~100点/㎡ 標高 0.1m(RMS誤差)
グリッドデータ 10~100点/㎡ 標高 0.1m(RMS誤差)
等高線データ 10~100点/㎡ 標高 0.1m(RMS誤差)

植生の影響が大きい場所で、グラウンドデータ・グリッドデータ・等高線データを作成する場合は、オリジナルデータの点密度を2倍とします。

数値地形図データ

地図情報レベル 標準点密度 水平位置 標高
500 400点/㎡以上 0.15m以内 0.2m以内
1000 100点/㎡以上 0.3m以内 0.3m以内

断面図データについては、目的に応じて点密度等を設定します。

3. UAV LiDARシステム

UAVレーザ測量システムは、

GNSSアンテナ+GNSS受信機+IMU+レーザスキャナ+UAV+解析ソフトウェア

から構成されます。

特に重要なのが、単純なレーザスキャナの性能だけではなく、GNSS・IMU・レーザ・解析ソフトを組み合わせた「システム全体」として精度を確保する考え方です。

(解析例)LiDAR360にてコース間調整を行う前のLiDARデータ
(LiDARの本質的な仕組みによって水平、垂直方向に誤差が生じる)

4. ボアサイトキャリブレーションと精度試験

公共測量で使用するUAV LiDARシステムについては、

  • ボアサイトキャリブレーション
  • 精度試験

を実施し、システムの特性や作成できる点群の品質を確認することが求められています。ボアサイトキャリブレーションでは、ミスアライメント値やレバーアーム値を求めます。精度試験では、例えば、

  • 平均標高
  • 標高の標準偏差
  • 基準点との較差
  • RMS誤差
  • 必要に応じて水平位置

などを確認します。これらは原則として測量作業前6か月以内に実施することが標準とされています。

5.計測諸元

準則では、計測諸元として以下を設定しています。

  • 対地高度
  • 対地速度
  • コース間重複度
  • スキャンレート
  • スキャン角度
  • パルスレート
  • 計測点間隔(計測点間隔=要求点間隔/θ (θは定数 1.1~1.5))

上記のうち、特に標準として、以下を定めています。

  • スキャン角度:レーザ光の入射角を45度以上
  • 計測距離(対地高度):レーザスキャナの最大測距距離の80%以下
  • コース間重複度:30%以上

7. 調整点による点群の精度確認・調整

UAVレーザ測量では調整点を設置して、点群の標高や水平位置を確認・調整します。

  • 要求仕様と同等以上の精度で測定
  • 複数設置する場合は計測範囲内に偏りなく配置
  • 対空標識の大きさは、標準的な計測点間隔の5倍以上の辺長を標準とする
  • 水平位置の点検を行う場合は、水平位置を特定可能な大きさ及び形状で、地表から突出した対空標識等を設置(ただし、反射強度にて水平位置の特定が可能な場合は、対空標識を十分に平らな地表面に設置でも可)
  • 標高のみの点検及び調整の場合は、対空標識を用いず十分に平らな地表面に設置できるものとする。

数については、標準として、

確認・調整内容 調整点
水平位置+標高 2点以上
数値地形図データを作成 4点以上
標高のみ 1点以上※

※1点とする場合は計画機関の承認が必要。

8. 精度確認

作成した点群について、

  • コース間の標高差
  • 調整点との標高差
  • 調整点との水平位置差
  • 点密度

などを確認します。要求精度を満たさない場合は、調整 → 再処理 → 再点検を行い、必要に応じて再計測します。

(例)Landstation-Uのコース間の標高差、調整点との標高差、水平位置差の検証画面

点検測量

さらに、作成したオリジナルデータが要求仕様を満たしているかを、別途実施する点検測量によって確認します。

方法として、

  • 検証点による点検
  • 別のUAVレーザ測量による比較
  • 横断測量による点検
  • 他の測量手法で作成した3次元点群との比較

などが規定されています。

(例)Landstation-U 検証点による検証画面

10. 最終的な成果物

UAV LiDARで取得した点群から、最終的には、

  • オリジナルデータ
  • その他の成果データ
  • 精度管理表
  • 品質評価表
  • メタデータ
  • その他資料

などを成果として整理します。

関連ページ

LiDAR SLAMによる公共測量 →

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