大規模SLAMデータなどの3DGS処理検証

2026.08.08 更新しました。UAV写真の追加実験を記載しました。

Greenvalley InternationalのLiDAR360 MLSでは、LiGripシリーズで測定したSLAMデータをガウシアンスプラッティング(以下、3DGS)処理を行う事が出来ます。

3DGSを行うにはライセンスが別途必要になりますが、従来はFramework+GS Reconstructionが必要だったのに対して、LiGripのデバイスを保有している場合は、GS Reconstructionのみとなりました。

マニュアル記載のPC要件は、以下です。

  • CPI Corei5/i7推奨
  • メモリ32GB以上
  • NVIDIAグラフィックカード推奨(メモリ8GB以上搭載のもの、デスクトップ使用時の推奨2080Ti、3060、3080Ti、4080、3090、4090、モバイルでの推奨は3080Ti、4080Ti)

今回、大規模のSLAMデータ、UAV測量用写真データ、構造物用にフォーカスした写真などを使用し、3DGS後の画像、処理時間を確認しました。弊社のPCは、i-9-11900@3.5GHz、メモリ128GB、GeForce 3080Ti(VRAM 12GB)ですので、今となっては平均程度の能力です。

SLAMデータ(大規模)

IMUの累積誤差検証の時にもご紹介しましたが、Greenvally LiGrip O2-32-120を使用して1キロほど歩いた(1パスのみ、RTK未使用)データです。lasデータとしては、6.5GB規模になります。このデータの3DGS処理は、完了出来るか疑問視していましたが、7時間ほどで処理が終了しました。LiDAR360 MLSの3DGSモジュールは、GPU上のVRAMの容量を上手くコントロールながら処理出来、処理前に使用するVRAMの上限値を設定することが出来ます。今回は、10/12GB設定で処理を行っています。

SLAM処理後

3DGS後

処理結果の考察

処理は完了しましたが、単に1パスのみで歩いて取得しデータは、3DGS処理を行っても綺麗な画像にならず、逆にノイズの様な物が多く発生して元の点群よりも余計おかしくなってしまいます。

下図の様に左側はSLAM点群、右側は3DGSデータですが、しっかりとした特徴点があるところは、3DGS画像も綺麗になりますが、、、

地面側(特に歩いていない道路側)は、画像はおかしくなっている事がわかります。1パスのみのデータは、写真のオーバラップが極端に少ないためとなります。

SLAMデータ(小規模)

以前ご紹介したことのある公園の小規模データです。lasデータは527MBであり、RTK未使用です。使用したSLAMデバイスは、LiGripO2 Liteであり小型のセンサーモジュールの為、LiGrip O2-32シリーズと比較して点群の数が格段に少ないものとなります。但し、このデータは、弊社でお勧めしている歩行経路にて測定したデータであり、十分に写真はオーバラップしたものになります。同様に、下図の左側は点群データ、右側は3DGSデータです。

正しくオーバラップしたデータであれば、鉄筋でも3DGS後は、ここまで綺麗になるという事になります。

更に拡大した図です。エッジがしっかりするので、点群から図面化する時に有利かと思います。これは、エッジがしっかりするだけではなく、座標も正しい事も確認出来ています。

LiDAR360 MLSの3DGSモジュールは、日本の座標系が扱えるため、3DGSデータ上にて長さや座標を計測することが出来ます。

詳細は、リンク先をご確認ください。

SLAM LiDARを3D Gaussian Splatting(3DGS)処理し、現況測量やリバースエンジニアリングに有効活用する!

写真データ(中規模)

UAV測量用に撮影した比較的規模の大きい写真での3DGS処理になります。写真枚数は719枚です。3DGSの処理時間は1時間12分でした。このデータは、アラインメントはMetashapeで処理し、COLMAPデータをエクスポート後、LiDAR360MLSに読み込ませて、3DGS処理を行っています。理由は、Postshotの経験から、3DGS内のアライメントツールよりもMetashapeの様な専用のアラインメントを使用したほうが結果が良い事が分かっている為です。但し、LiDAR360MLSでは、今のところ未確認の為、今後確認出来次第、更新します。

3DGS処理は正常に終了しましたが、結果としては上手く行きませんでした(下図)。大規模シーンではうまく行かない事があるようです。ドローンのカメラが古い(Inspire1)という事もあるかもしれません。

写真データ(小規模)

UAV写真に関して追加実験を行いました。Mavic3Eを使用しています。こちらもGSD1pix/cm程度ですが、小規模かつ、上記よりも特徴がある写真になります。処理時間22分です。

こちらは上手く行きました。3DGSの全体図です。

拡大図です。土砂や標識などもしっかりと見えます。

尚、この位の規模であれば、アラインメントはMetashapeでもLiDAR360MLSでもほとんど違いはありませんでした。周囲などのオーバラップの弱い所で若干差がある程度で、適切にオーバラップされた部分では差は見られませんでした。

写真データ(小規模)

下図は、構造物をドローンで近接撮影した画像の比較になります。こちらもInspire1になります。写真の枚数は208枚です。3DGSの処理時間26分です。上記と同様にアラインメントのみMetashapeで行っています。

Metashape モデル

3DGS

Metashapeモデルと3DGSを見比べると、モデルの方がシャープに見え、クラックなどが良く見えるかと思いますが、反面、天井に設置されている柵(図に右側部分)に注目しますと、モデルは完全につぶれているに対して、3DGSは完全に再現されています。

下図は、それほど大きくないオブジェをiPhoneで撮影した写真から作成したモデルです。綺麗なモデルになるように注意して撮影しておりますが、口の中はモデルにすると真っ黒になってしまいます。

一方、3DGSにすると、口の中は真っ黒にはならず、奥の下の歯まで見えており、奥の歯が見える事でとてもリアルになります。

まとめ(重要ポイント)

  • 実験の結果、LiDAR360 MLSの3DGS処理は、規模の大きいデータでも処理可能。写真のみ、SLAMデータ(LiGripシリーズのみ)の処理も可能。
  • SLAMにて3DGSを綺麗に生成したい場合は、写真からの点群と同様、前後、左右のオーバラップが必要になります。1方向だけ歩いて測定したデータは、写真のオーバラップがありませんので、3DGSも綺麗にはなりません。(イメージとしては、レーザは正確な点群の元データ、ガウシアンは元データを中心に写真点群を使用して正規分布で補正という所でしょうか。)
  • 3DGS化することによって従来の写真からのモデルでは見えなかったものが見えたり、あるいはその逆が生じるため、特性を知って使う必要があります。しかしながら、きちんとオーバラップしたSLAMデータとは相性が良く、エッジがはっきりする為、図面化時にメリットがあるかと思います。
  • 日本の座標系が扱えるため、座標や長さの測定が可能です。

以上です。

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