LiDAR SLAMのGCP・RTK・PPKによる位置補正

LiDAR SLAMのジオリファレンス

LiDAR SLAMは、LiDARセンサーとIMUなどを用いて自己位置を推定しながら点群を取得します。 一方、測量成果として点群を利用する場合には、取得した点群を既知の座標を持つ基準と整合させる位置補正(ジオリファレンス)が重要になります。

LiDAR SLAMで取得した点群の位置を補正する代表的な方法として、GCP、RTK、PPKがあります。 これらは同じ目的に使用される場合がありますが、位置情報を取得・補正する方法がそれぞれ異なります。

GCP・RTK・PPK

LiDAR SLAMでは、SLAMによって生成された点群を、そのまま利用する方法だけでなく、既知の座標を持つ基準点などを利用して位置を補正することができます。

代表的な方法は次の3つです。

  • GCP:地上に設置した既知座標の基準点を利用して点群を補正
  • RTK:GNSSのリアルタイム測位情報を利用して位置情報を取得
  • PPK:計測後に基準点の観測データなどを用いて位置情報を後処理

どの方法を使用するかは、使用するLiDAR SLAM機器の仕様、計測環境、必要な精度、公共測量への利用などを考慮して決定します。

GCPによる補正

GCP(Ground Control Point)は、地上に設置した既知座標の基準点です。 LiDAR SLAMで取得した点群上からGCPを確認し、既知の座標と点群上の位置を対応させることで、点群の位置を補正します。

GCPを使用したLiDAR SLAMの基本的な流れ

  1. 地上にGCP(対空標識)を設置する
  2. LiDAR SLAMによる計測を行う
  3. 取得したLiDARデータから点群を生成する(Pure SLAM)
  4. 点群上でGCPを確認する
  5. 既知座標を持つGCPを使用して点群を補正する(Pure SLAM+GCP)
  6. 補正後の点群について、点群処理・解析を行う
  7. 必要な成果を作成する

GCPを利用する方法では、計測後にGCPを用いた補正処理が必要になります。

GCPを使用する場合の特徴

  • 既知座標を持つ地上の基準点を利用できる
  • GNSSが使えない場所でも利用できる
  • 4G通信が不要
  • 計測後にGCPを用いた補正処理が必要

RTKによる位置補正・位置情報取得

RTK(Real Time Kinematic)は、GNSSを利用してリアルタイムに高精度な位置情報を取得する方式です。

LiDAR SLAMにRTKを組み合わせることで、SLAMによって取得した点群に対して、GNSSによる位置情報を利用することができます。

RTKを使用する場合の基本的な流れ

  1. GNSSによるRTK測位環境を準備する(4G通信、RTK配信会社との契約など)
  2. LiDAR SLAMによる計測を行う
  3. 計測時にGNSSによる位置情報を取得する
  4. LiDAR・IMUなどのデータと位置情報を処理する
  5. 位置情報を利用して点群を整合させる
  6. 点群処理・解析を行う
  7. 必要な成果を作成する

RTKの大きな特徴は、計測時にリアルタイムで位置情報を取得できることです。実際の利用方法や補正処理は、使用するLiDAR SLAM機器の仕様やソフトウェアによって異なります。

PPKによる位置補正

PPK(Post Processed Kinematic)は、計測後にGNSSの観測データなどを利用して位置情報を後処理する方式です。

LiDAR SLAMでは、計測時に取得したデータとGNSSの観測データなどを計測後に処理することで、点群の位置情報を補正・整合させることができます。

PPKを使用する場合の基本的な流れ

  1. LiDAR SLAMによる計測を行う
  2. 計測時のGNSS等の位置情報を記録する
  3. 必要なGNSS観測データを準備する
  4. 計測データとGNSS観測データをPC上で処理する
  5. PPK処理によって位置情報を求める
  6. 位置情報を利用して点群を整合させる
  7. 点群処理・解析を行う
  8. 必要な成果を作成する

PPKは計測後の後処理が必要であることが大きな特徴です。 一方で、計測時にリアルタイムの通信環境を必要としない構成も可能です。

GCP・RTK・PPKの比較

項目 GCP RTK PPK
基本的な考え方 地上の既知座標を利用して補正 リアルタイムGNSS測位を利用 GNSS観測データを計測後に処理
補正方法 GCPを用いて補正 リアルタイムの位置情報を利用 計測後の後処理によって位置情報を求める
主な処理 GCPを用いた補正処理が必要 計測時に位置情報を取得 後処理が必要
特徴 地上の既知座標を基準にできる リアルタイムに位置情報を取得できる 計測後に位置情報を処理できる

LiDAR SLAMでGCP・RTK・PPKを使い分ける

LiDAR SLAMの位置補正方法は、単純に「どの方式が最も優れているか」で決まるものではありません。 使用するLiDAR SLAMの仕様、計測環境、必要な精度、利用目的、公共測量への対応などを考慮して選択することが重要です。

例えば、RTKやPPKに対応したLiDAR SLAMを使用する場合にはGNSSによる位置情報を利用できます。 一方、RTKやPPKに対応していないLiDARを使用する場合や、公共測量等では、GCPを活用する方法があります。

LiDAR SLAMの点群補正後の処理

位置補正を行った後は、目的に応じて点群の処理・解析を行います。

  • ノイズ除去
  • 点群の分類
  • 地表面抽出
  • 断面作成
  • 3次元モデル作成
  • 測量成果の作成

各補正方式の概念図

下図は、GCP、RTK、PPKの概念図です。UAV LiDARは、例えばGCP+RTK等の複数の方式を使用できるのに対して、LiDAR SLAMの場合は、どれか一つのみの選択(排他的選択)になることに注意してください。

以上です。


次を見る:LiDAR SLAM製品一覧 →

LiDAR SLAM総合ページに戻る →

error: Content is protected !!