記事を見直ししました。(記:2023.10.31)
オブリークの概要
Zenmuse P1は、オブリークモード(斜め撮影)を使用すると、真俯瞰の写真に加えて斜め撮影も同時に行う事が出来ます。ファントム4 RTKでは、インターバル撮影の最短時間は2秒なので真俯瞰のみですが、Zenmuse P1は最短0.7秒と高速であるため、真俯瞰⇒斜め⇒斜め・・・⇒真俯瞰という撮影が可能になっています。
その動きは非常に複雑で、撮影領域に対して最初と最後のコースの端を飛行する時は、領域内部に対してのみ斜め撮影(シャッター間隔も遅め)となり、コースの真ん中付近では、上下左右の斜めと動作が変わります。X,Yの複合斜め撮影は無いようです。
下図は、Metashapeでのカメラ確度の推定の図です。進行方向側と横側からの図となります。カメラの向きが複雑に変化しているのがわかるかと思います。
進行方向側
横側
オブリークでのオーバラップ検証
撮影条件:OL80% SL60%、地上解像度1.0cm/pix、オプリーク角度設定15度。
Metashapeのレポートより、オーバラップ結果を確認しますと、領域に対して十分なオーバラップが確認できました。設定は、
但し注意点として、地上解像度を確認しますとフライトプラン設定の1.0cm/pixに対してMetashapeの結果は、1.05cm/pixとなりました。真俯瞰モードではきっちりと設定通りの解像度となっていましたので、これは斜めによって距離が伸びた分がレポートには含まれるようです。
精度の結果(GCP無し)
P1は様々な角度を0.7秒間隔で撮影しますので、1度のフライトで終了します。弊社の実験では、地上解像度1.0cm/pix、15度のオプリーグ撮影、GCP設定無しにて、全てのGCP(検証点含む)のRMS誤差は、10cm以下になりました。これは一回実験を行ったのみの結果です。パラメータなどを変更して複数の飛行を行った結果ではありません。
<Zenmuse P1:ネットワークRTK、GCP無し、オプリークモード>
本実験では、余り複数の斜めがありますと、精度が出づらい傾向にあるようですので、以下の対策を行っています。
- カメラ座標は、ピッチ方向斜めは採用せず、ロール方向斜めのみの座標と、鉛直方向の座標を有効。
- 上記にて最適化を一度実行後、Metashapeが推定しているカメラ座標の誤差が1cm以上の座標を無効(画像としては全て採用)。
- カメラキャリブレーション推定はAutoであり、事前にGCPを使用し得られたカメラパラメータ推定値は使用せず(これを使用したら実験の意味がありませんので)。
今後時間があれば、追加実験したいと思いますが、GCP無しでもお手軽に良好な結果が出るのであれば、P1はかなり広大なエリアを撮影出来ますし、地面の高低差を気にせずに飛行させる事が出来ます。
(2023.10.31追記)
5眼オブリークカメラの登場によって、P1でも不可能だった標定点無しで5cm以内(入るときもあれば入らない時もある)が完全に解決されました。SHARE PSDK102S V3カメラの検証レポート(測量編)をご確認ください。
以上です。